第1回 経営に向いている社長とは？

税理士という仕事をしていると本当に多くの社長とお会いし、お話しをさせていただく。

いろんな職業があるが、こんなに多くの社長とお話しする職業は他にないのではなかろうかとも思う。

多くの社長とお話するが、社長の考え方は千差万別である。

少し過去の経験談を交えながらお話しする。

ある会社は、新規に会社を立ち上げ、設立当初から私が関与する顧問先がいらっしゃった。その社長は、以前勤めていた会社を辞めて同じ業種の会社を立ち上げたのだが、その社長の性格はまさに職人気質の社長さんだった。

依頼された仕事に関しては、本当に丁寧に仕事をしていたので、お客様からの信頼は厚かったようだ。

その点では、私自身もすばらしい社長だと今でも思っている。

しかし、経営者としてはどうであろうか？

今までの会社勤めであればそれで良かったかもしれないが、経営者の場合、人に任せながら仕事をしていかなければならない。

自分ひとりでは会社はまわらない。

そのことを私が関与して、2.3ヶ月後に経理である奥様にお話しをした。

奥様はそのことをすぐに理解してくださり、一緒になってどうしたら自分の手だけでなく、人に任せながらお客様の信頼を得て、仕事を増やしていくかを考えた。

その後は、社長にも同じお話しをし、社長も自分でわかっていたようだ。

わかっているが、なかなか踏ん切りがつかなかったようだ。

また、会社を設立したばかりだったので、数字だとか会計に関しては、最初はあまり理解していなかったが、毎月おじゃまさせて頂いた際に、数字の見方など簡単なお話しをし、数字を理解して頂いた。

興味を持って頂いたので、私自身も本当に嬉しかった。

社長の性格をいろいろである。職人気質の人。バリバリの営業マン上がりの人。数字にものすごく強い人など。

いろんな性格の社長がいらっしゃるが、経営がうまくいっている会社の社長さんは数字に本当に強く、よく勉強をしていると常々感じる。私よりもはるかに経営に熱心であり、私自身も本当に多くのことを勉強させて頂いている。

今回は社長の実践経営コラム１回目であるが、今後数字を理解し、会計を経営に活かすことを目的に、記事を書かせて頂く。

私自身、まだまだ勉強させて頂くことの方が多いが、経営コラムを通じてこれからの経営に少しでも役に立てば幸いである。


                                                                                執筆者：税理士　下向 祥悟